生理不順を引き起こすホルモンバランスの乱れ
月経(生理)は主にエストロゲンとプロゲステロンの二つの女性ホルモンによってコントロールされています。これらのホルモンは主に視床下部、脳下垂体、卵巣の働きにより分泌されています。
このホルモン分泌がうまくいっていれば安定して周期的に月経がきますが、分泌の仕組みのどこかに異常が出たり、バランスが崩れると月経不順や無月経という現象が起きてしまいます。
ではそのバランスを崩す要因となるものはなんでしょう?
現代医学と東洋医学の両面から見てみましょう。
◆現代医学的に見た要因◆
・ストレス
・過度なダイエット
・子宮内膜症、子宮筋腫等の疾患など
◆東洋医学的に見た要因◆
・血虚や血瘀
・肝腎不足
・肝鬱など
現代医学の要因はわかりやすいと思うんですが、東洋医学の要因は見たこと聞いたことがない単語って思う方が多いのではないでしょうか?
血虚・血瘀は血の不足や血の滞りを言います。現代医学と重なる部分は「過度なダイエット」による貧血などですね。滞る原因は血行不良を招く、冷えなどがあげられます。
肝腎不足とは五臓六腑の肝と腎のパワーダウンを言います。肝も腎もどちらも生殖器や生殖能力に大きく関わりがあります。「肝は血を蔵す」と言い、血にも大きく関わりがあります。
肝鬱を説明する前に五臓六腑の肝の働きを説明します。
上記の「肝は血を蔵す」以外に「肝は疏泄をつかさどる」という大事な役割があります。簡単に言うと、気血津液の廻りを良くするよう肝が働くという事です。肝のこの働きがうまく機能せず、気血や津液などが滞りうっ滞することを肝鬱と言います。肝鬱を起こす原因はいろいろありますが、現代医学で言うストレスを溜めることも原因の一つですし、逆に肝鬱となって情志がのびやかでなくなり、ストレスを感じやすくなるのもあります。
こうしてみると難解そうな東洋医学の要因も西洋医学と通ずるものがあります。
生理不順は危険信号。生活習慣の見直しを。
まず、月経不順になっている原因に疾患が無いかの検査を受ける事が必要です。前述の婦人科系疾患以外にも甲状腺や肝臓の異常から月経不順になっている場合もあります。
その場合は疾患に対しての治療が必要となりますので、一度は婦人科を受診されることをお勧めします。
受診した結果、疾患ではないという事がはっきりした場合は上記に述べたストレスや食生活、その他の生活習慣が関係している場合があるので、日常生活を見直す必要があります。
◆食生活◆
ダイエットによる食事制限など、偏った食生活を改善しましょう。野菜、良質なタンパク質をきちんと取り、適度に炭水化物を摂るのが良いです。
◆ストレス解消◆
何かに一生懸命になることは素敵ですが、
からだやこころのことを考えると休んだり、自分を甘やかす時間も大切なのです。
それはいつも頑張っていることからすると一見無駄にも見えることですが、
実はよりのびのびしたこころで目的に取り組むことができるという意味でも不可欠なことです。
◆規則正しい生活を◆
規則正しい生活をしているとホルモンバランスも整ってきます。
夜更かしをやめる、就寝時間・起床時間をある程度決めて睡眠をとる。
食事の時間もできるだけ同じ時間にとれるといいですね。
生活の中に適度な運動を取り入れるのも良いです。
生理不順は重要なからだからの危険信号です。放っておくと不妊症にもなりかねません。
生理不順に心当たりのある方は一度是非生活習慣を見直してみてください。